当サイトは、パソコンやOfficeツール、デジタルテクノロジーに関する情報を発信するメディアですが、最近、「大きな気付き」を得ましたのでコラムという形で配信することにしました。
テーマは「宿題をしたがらない子ども」についてです。
特に遊び盛りの小学生の子どもを持つ親は、このような問題に悩まされることも多いでしょう。わたしもそのひとりでした。
この記事を読むことで明快な解決策が見つかるわけではありませんが、「子どもの気持ち」を少し理解することができるでしょう。
子どもの心理に気付いたきっかけ
現在、わたしはフリーランスとして活動しており、「やりたいこと」が山のようにあります。
機械学習や深層学習の勉強、さまざまなプログラミング言語、海外向けのメディア配信、宇宙科学
おそらく一生の時間をかけても、できることは限られていますが、「やりたいこと」へのモチベーションは非常に高い方だと自覚しています。仕事というよりは「趣味」であり、夜遅くまで活動していても疲れることはありません。一方で、わたしには「やらなければならない仕事」もあります。
「やりたいこと」へのモチベーションが特に高まった最近、宿題をやらない子どもの心理に気付いたのです。
やりたいこととやりたくないことのモチベーション
「やりたくない」気持ちは、遊びや関心毎のモチベーションの高さに反比例します。そして、宿題をやらない子は必ずしも否定的に捉える必要はありません。
子どもの心理: 遊びたい気持ちが宿題嫌いを生む
基本的に子どもは遊ぶことしか考えていません。
社会的な義務感や責任感はまだ十分に発達しておらず、将来のことを意識することもほとんどありません。一方で、子どもたちの周囲には興味をそそることや楽しい遊びがたくさん広がっており、頭の中はそれらでいっぱいです。
もちろん、宿題をやらないといけないことは分かっているのです。でも大人に例えると、海外旅行中に「1時間だけ、会社のレポート作りの対応をしてくれ」といわれたときのような気持ちで、宿題に対するやる気がまったく湧かないのです。
(旅行の予定が楽しければ楽しいほど、レポートは後回しにしたくなりますよね?)
それでも、毎日宿題をこなしている子どもたちに対して、「よく頑張っているんだね」と感じませんか?
大人の心理: やりたくないことへの耐性がある
一般に、人は大人に成長するにつれて、義務感や責任感という概念を覚えます。
会社に勤めるようになると、「やりたい」「やりたくない」の感情で行動することはできません。イヤでも毎日出勤して会社の仕事をすることが習慣になってきます。そうです。大人は成長過程で「やりたくないこと」への耐性も身に付けているのです。
自分の純粋な意思ではなく、義務感や責任感を最重視して自身の感情を制御することができるのです。
「さっさと宿題をやれば30分で終わるのに!」が子どもに伝わらないのは、そのためです。大人は成長するにつれて、子どもの頃の気持ちを忘れてしまうものなんですね。
ドラえもんから学ぶ、宿題をしたがらない子どもの可能性
ドラえもんの世界で考えてみましょう。
出木杉くんは優等生で、宿題もきちんとこなしています。一方、ジャイアンは宿題をあまりやりたがらないイメージが強いです。しかし、将来、面白い仕事をしていそうなのは、実はジャイアンかもしれません。
昭和時代は「出木杉くん」のような勉強熱心な子どもが評価されましたが、現代は「ジャイアン」のような子どもたちが持つ、独創性や個性が求められる傾向があります。
宿題をしたがらない子どもは、必ずしも否定的に捉えるべきではありません。彼らには独自の視点や発想力があるかもしれません。それらは、将来、革新的な仕事や面白いアイデアを生み出す力になるでしょう。
今の時代は、「ジャイアン」のような子どもたちが持つ可能性にも目を向け、彼らの成長を応援しましょう。そうすることで、多様な才能が育まれる社会を実現できます。
デジタルテクノロジーと宿題
一見、違和感のある章タイトルですが、当サイトの趣旨やわたしの主要分野から、大切なテーマとなりますので当記事に含めておきます。
テクノロジーは作業を排除する
デジタルテクノロジーの目的のひとつは、人の代替や作業の効率化を実現することです。この技術の進歩により、私たちの生活や仕事のあり方が大きく変わりつつあります。
身近な例でも、人の手作業で5時間かかる作業がExcelのマクロを使えば数分で終わる場合、大幅な効率化が図られます。これにより、時間と労力の節約が可能となり、人々はより重要なタスクや創造的な仕事に集中できるようになります。
また、大量のデータ分析では、AIを活用することで高度なパターン解析が数分で行え、有用な結果が得られるようになります。従来の手法では時間がかかりすぎて現実的でなかった解析も、AIの活用により実現可能となり、新たな知見やビジネスチャンスが生まれます。
デジタルテクノロジーは効率化と革新を生み出す力を持っており、今後も私たちの生活や働き方を変革し続けるでしょう。
耐性をつけるための教育は必ずしも必要ではない
子どもの宿題においては、嫌なことを我慢して行う能力は重要だとされています。
しかし、デジタルテクノロジーの観点から見ると、その考え方は効率化や技術革新と相反することがあります。嫌でもやることが正義になってしまうと、大きなチャンスを失ってしまう可能性もあります。また、そのような考え方からは「コンピュータープログラミング」が生まれることはなかったでしょう。
人がコツコツと作業することを美学とするならば、です。
つまり、デジタルテクノロジーの進化と時代の価値観の変容に伴って、教育の在り方も変わるべきです。嫌なことを我慢する耐性は、子どもの可能性を阻害する要因にもなり得るのです。
学校へ意見してもよい
確かに宿題を習慣づけることで、1年間で見違えるように暗算ができるようになり、漢字を読むこともできるようになりました。それは、宿題の効果と思います。
ただし、子どもが嫌々ながら取り組んでいる宿題の中には、「教科書からの文章の書き写し」や「ノート一面に計算問題を書く」など、面倒な作業を我慢する能力を身に付けさせることが目的のように見えてしまう課題もあります。
現実で考えましょう。現代社会において、そのような単調な作業は「自動化」の筆頭候補です。
また、子どもの学習は学校の課題だけに限定すべきではありません。たとえば、プログラミングを学びたい子どもにとって、宿題がその時間を奪ってしまうことにもなり得るのです。これはこどもの将来にも影響する大切なお話です。
宿題の意義が不明瞭で、負担が大きい場合には学校に意見を伝えることも選択肢の一つです。
あとがき
今回は多くの親が抱えている悩みのひとつ「宿題をやらない子ども」をテーマに記事を書きました。
この記事でお悩みが解決するわけではありませんが、子どもへの共感、そして日々、「子どもも頑張っているんだな」ということを感じていただけたのであれば幸いです。
「宿題」に関する問題は簡単ではありません。宿題を放棄して学校に行かせると、結局は、先生から注意されたり、残されたりするためです。かといって、先生に特別扱いさせてもらうわけにもいきません。
そもそも、宿題のすべてが弊害ではなく重要なのはバランスであり、宿題の意義と子どもの気持ち、そして子どもの将来を考えることが親の役割なのかな、と思います。
日本の教育が見直されるのは、まだまだ時間がかかるでしょう。
この記事が多くの親にとって、世間の常識感だけではなく、子どもの将来を考えて行動するきっかけになれば幸いです。
さて、明日も「宿題をしない子ども」と正面から付き合いましょう!