日本では長い間、新卒一括採用かつ職種ごとに多少の差はあっても、採用時の初任給は基本的に同一賃金が標準となっていました。
デジタルの波は、その日本の長年の慣習をも変えようとしています。
「ジョブ型」の雇用形態をとっている海外では、そもそも横並びの初任給という概念がないといわれていますが、日本も海外の価値観に近づきつつあるのかもしれません。
この記事では、令和3年2月4日に経済産業省が発表した参考資料「我が国におけるIT人材の動向」を基に、IT人材の初任給の変容について、紹介したいと思います。
IT人材の価値
<プログラミングの重要性>
今回のテーマはIT人材の平均年収・初任給だ!
IT人材の価値が高まっている背景
IT人材の価値が高まっている理由は、世界的にIT・デジタル分野の大きな波が押し寄せていることに他なりません。これについては、当サイトの記事で詳しく説明していますので、ご参考ください。
これらの記事は少々長いが、日本の置かれている状況が分かるぞ!
そうね!長いけど、、勉強になりました♡
労働力人口の減少
2017年5月に、みずほ総合研究所が発表した「少子高齢化で労働力人口は4割減」の資料によると、日本の労働力人口は、この先も減少を続け、2065年には現在の4割減になる見込みです。
会社の事業を大きく効率化する、変革する可能性を秘めたIT人材の価値は、より高騰化するのです。
テクノロジーによる解決
労働力人口の減少を含めて、あまり関連性は感じないかもしれませんが、高齢者の割合が多くなってしまう少子高齢化の問題。
これらは、日本の人口構造に依存する問題ですが、若い世代の価値観など、人口構造は簡単に解決できる問題ではありません。色々な意見はあると思いますが、「テクノロジーによる解決」はとても合理的な解決策なのです。
わかり易い例で説明すると、業務を自動化したり、仕組みそのものをDX化したり、高齢者のための介護ロボットを開発したり、現時点では現実的なお話に聞こえないものもあると思いますが、それぞれ実際に取り組まれている内容です。
これは、ドラえもんの話ではなく、超現実的な話なのだ!
テクノロジーってスゴイのね!
そしてテクノロジーとは、現在のAIやIoTなどに限らず、数年おきに新しい概念が生まれる!
IT人材の平均年収・初任給
移りゆく企業の価値観
「新卒一括採用の廃止」「副業の解禁」「週休3日制の導入」。どちらも10年前の日本企業の価値観からは、考えられない動きが現実的に見られ始めています。
ホントにそう!
ここも変わっちゃうかもしれないんだね
日本型雇用崩壊の背景
2019年10月、近年日本国内の時価総額でトップに君臨するトヨタ自動車の社長が「終身雇用を守っていくのは厳しい」と発言し、多くのメディアがこの発言を取り上げました。
また、2022年現在、多くの上場企業が相次いで「希望退職」を募っています。
これらは、「シニア人材の活用」が焦点になっている問題ではありますが、水面下には現在のような世界的な産業変化の中では、数十年先の安泰は確信できないという考えもあるのです。
正にGAFAが日本の既存産業をあっという間に破壊したように、海外のテック企業の力は、これまでの常識をいとも簡単に覆してしまうのです。
海外テック企業の怖さと既存産業の脆さは、平成の30年間で明らかになったのだ!
ところで、IT人材って、日本ではどう評価されているの?
IT人材の平均年収
現時点では、日本のIT人材の年収は海外に比べて低い水準にあります。
日本の年齢別IT人材の平均年収
- 20代・・413万円
- 30代・・526万円
- 40代・・646万円
- 50代・・754万円
この結果は、異業種含めた全社的な給与水準とほぼ変わらないそうです。
一方、平均ではなく高額報酬の事例は増加傾向にありますので、次で紹介します。
高額報酬の求人例
求人に含まれる単語 | 最高提示年収 |
---|---|
ブロックチェーン | 2,200万円 |
AI/人工知能/機械学習 | 4,000万円 |
IoT/M2M | 4,600万円 |
自動運転 | 2,100万円 |
サイバーセキュリティ | 3,000万円 |
ロボット工学/ロボティクス | 2,500万円 |
AR/VR/拡張現実/仮想現実 | 2,499万円 |
これは一例だ!
他のテクノロジー分野でも高額報酬の事例はあるんだ!
IT人材の初任給
企業名 | 初任給(年収) | 職種 |
---|---|---|
NEC | 1,000万円以上 | 研究職、技術職 |
ソニー | 730万円 | 技術職 |
ディー・エヌ・エー | 600〜1,000万円 | 技術職 |
サイバーエージェント | 720万円〜 | 研究職 |
ファーウェイ | 3,000万円 | 技術職 |
くら寿司 | 1,000万円 | 幹部候補生 |
新卒でこんなに高いの!
すでに、IT人材の争奪戦は始まっているのだ!
将来、不足することもほぼ間違いないからな!
あとがき
今回の記事では、IT人材の平均年収や、IT分野の初任給について取り上げました。
どちらも高額な一例とはいえ、これまでの日本の常識が変わりつつあることに気がついたでしょう。
人間の価値観、幸福感は、年収がベースになるわけではありませんが、当サイトで発信しているプログラミングの重要性と将来性を伝えるのに、有益な情報なのです。
そして、IT人材=プログラマーか、という疑問を抱いた方もいらっしゃると思いますが、必ずしもプログラマーとは限りません。ただし、いかなるIT人材であっても、基礎となる「プログラミング的思考」程度は身につけています。
IT人材としてテクノロジーに関わるのであれば、初歩の「プログラミング的思考」の習得は必須といっても過言ではありません。(心配なさらなくても、テクノロジーを理解できる人材は、自然にプログラミングは理解できます)
今日はここまで!