わたしの好きな番組にNews Picsの「2Sides」というものがあります。
ある事象に対して、肯定派・否定派の2つの側面から議論する番組ですが、要は物事には「多面性」があり、一方の目線から見えているものは限られているのです。
冒頭から何を言っているのか分からないと感じたかもしれませんが、日々、会社で行う事務作業にも「事務職担当者」と「エンジニア」。2つの目線があるのです。
Excelの「マクロ」は、Excelに搭載された自動化機能というイメージを持っている方は多いかと思いますが、厳密にはマクロはVBAというプログラミング言語で動いています。マクロの本体はVBA、正真正銘のプログラミング言語なのです。
プロフィールでも紹介していますが、わたしは元事務職担当者でExcelの大量処理を効率化するために、VBAの学習を始めました。今では、プログラミング関連のメディアサイトを運営していると同時にRPAのエンジニアでもあります。
事務職担当者の多くは、日々、業務手順に基づきExcelで作業をされていると思いますが、その事務作業はVBAによって自動化することができるのです(自動化に向けた手順整理は必須)。
「自動化」という目線を持てば、誰にでもVBAを学習するきっかけになり、エンジニアの視点を持つこともできるのです。
一般に、エンジニア業界への転職は新卒でない限り、スキルと経験が求められます。事務職担当者からの転職は容易ではないでしょう。
でも、事務職担当者は、日々行っている事務作業がそのままエンジニアとしての学習素材になり、実践的なスキルを身に着けるチャンスにもなります。そうです。VBAを使った自動化です。
正確には、「エンジニアへの転職」は論点ではありません。AIを活用する高度な自動化、機械・深層学習の活用。世の中の仕事環境は否応なく変化を続けます。
小学生からIT教育(GIGAスクール構想)が導入された現代、ITスキルを伸ばすことは自身の職業人生において、有益になる可能性が極めて高いのです。
エンジニア目線で事務作業を見れるようになると、これまでの事務作業とは異なる様態に見えてきます。「なぜこの処理が必要なのか」といった業務改善の視点も養えます。
それだけではありません。ITテクノロジーの分野にも強くなれます。
事務職担当者が出会うVBAには、実は非エンジニアでは気付けない大きな利点があります。
VisualBasic、C#、Java、Python。聞いたことのある単語かと思いますが、これらはプログラミング言語の名称です。
それぞれ構文もコードの書き方もまったく異なるのですが、実は「プログラミング的思考」が必要な点と、「プログラミングの3大要素」という点では大きな共通点があるのです。
極端にいえば、ExcelでVBAが使えるようになると、他のプログラミング言語の習得にも時間はかかりません。構文やコードの書き方が異なるだけで、プログラミングは共通点の占める割合のほうが大きいのです。
つまり、VBAを習得することは、プログラミングスキルを習得することと一緒なのです。
これは、エンジニアであれば知っている事実です。
ここで重要なポイントがあります。もし、これまでの記事をご覧になってVBAに関心を抱いたのであれば、ここからが分岐点です。
どうやってVBAの学習を始めるか
会社にVBAやプログラミングの重要性を説明し、「学習のための時間を欲しい」と懇願してもほとんどの場合、却下されるでしょう。効果が不明なうえに、どれだけの時間が割かれるか分からないからです。
わたしがおススメするのは、「会社の事務作業を題材に、自宅で学習すること」です。VBAはOfficeがインストールされたパソコンさえあれば学習を始められます。学習素材は、日々、行っている事務作業です。
実は、事務作業担当者は一歩踏み出せば、高度なITスキルを身に着けることが可能な環境下にいるのです。