メモリ4GBのパソコンは買ってもいいの?の結論を専門サイトが解説

パソコンの用途は利用者によって様々。

コンピューターデザインやプログラミング、研究などの用途から、企業の一般事務、家庭用に1台のパソコンなど、多岐に渡ります。

そして、パソコンを選ぶ際に困ってしまうのが、パソコンのスペック問題です。

スマホであれば、比較的「カメラ性能」を中心とした分かりやすいスペック体系になっており、ユーザーレビューの情報も多いため、ご自身の希望にあった機種を決めやすいのですが、パソコンのスペック選びは簡単ではありません。

安いもので7万円前後、高いもので20万円を超えるなど、価格の幅が大きいのもパソコンの特徴です。

この記事では、低価格パソコンで見られる「メモリ4ギガ」のスペックについて、その実用性を説明します。

目次

メモリ4GBのパソコンは基本NG

結論を書きましたが、メモリ4ギガのパソコンは、よほど用途が限定的で無い限りは避けたほうがよいです。

当記事執筆時点の最新のWindowsOSはWindows11で、Windows11の最低システム要件は「メモリ4GB」。そして、インターネット上でも、「簡易的な用途であれば問題なく使える」という情報をお見かけしますが、それでも避けたほうがよいです。

「Windows11のシステム要件を満たしているのなら大丈夫では・・」という印象があるかもしれませんが、下記で詳しく説明します。

始めに:メモリについて

メモリとは、パソコン内部における「作業領域」のことです。作業領域といっても、実際は物理的な部品で下記のようにパソコンに挿さっています。

デスクトップのメモリ(4GB×2枚)

「作業領域」と説明されてもイメージができないと思いますが、パソコンのExcelやブラウザ、メールソフトなどを動かすためのシステム領域のことです。

4ギガのパソコンは、現在、主流の8ギガのパソコンの半分の作業領域しかありません。

分かりやすく説明すると、職場で使っているデスクの面積が今の半分になることをイメージしてください。料理をよくされる方はキッチンスペースでもよいでしょう。

とてもスムーズに働くことはできないはずです。

下記のイメージ図は当サイトで制作したものですが、左右のイラストのデスクサイズは[左2:右1]になっています。8ギガでは作業領域に収まっているアイコンが、4ギガではオーバーしていることが分かるでしょう。

メモリの作業領域のイメージ

上記のイメージ図では、メモリ4ギガのデスクがオーバーしていますが、実際のパソコンの場合は、ほぼ完全にフリーズ状態になります。動いているのか、固まっているのか判別もつかない。マウスの操作も受け付けない。あの状態は、メモリ不足でも引き起こされる症状なのです。

パソコンはバックグラウンドでも動作している

メモリの説明をすると、「わたしはパソコンでメールは使わないし、Excelだけ使うから大丈夫でしょ?」と思った方がいらっしゃるかもしれませんが、それは正しい認識ではありません。

たとえパソコン上では、Excelしか起動していなくても、Excelを制御するためのシステムやセキュリティ機能など、パソコンのバックグラウンドでは、本当にたくさんのタスクが動いています(常時100以上)。

わたしが使っているパソコンはメモリ16ギガ。そして今、この記事を書いている最中には記事を書くためのブラウザ以外は動かしていませんが、パソコンのタスクを確認すると、下記のようなタスクが動いています。

記事執筆中現在のタスク状態

上記のイメージ図で見えているタスクは一部です。証拠に右側のスクロールバーをご覧ください。まだまだ、下にスクロールすることができますね。

搭載メモリは16GB

ブラウザを起動しているだけで、メモリ16ギガのうち47%も消費しています。

パソコンを使っているときには、いかに作業領域が大事か、お分かりいただけたでしょうか。

ITは進化する

世間のITは進化します。

たとえば、通信速度の高速化(5G)によって、今後、Webサイトはより装飾度が高まるでしょう。また、パソコンもより便利に、より高度に動作するよう、進化をするはずです。(求められるスペックも高くなる)

実は、当記事執筆時点の2022年より数年遡ると、確かにパソコンは4ギガでも充分とされており、実際の製品のラインナップも4ギガと8ギガが同数程度という状態でした。

この数年で、4ギガのパソコンは標準未満の低スペックに位置づけられることになりました。

数年もしないうちに、4ギガのパソコンは陳腐化してしまうことが予想されます(現時点でも厳しいです)。

パソコンは使い続けると遅くなる

パソコンは、買ったばかりの状態が最も性能が高く、使い続けるうちに、どうしても性能が落ちてきます。

これは、パソコンを使ったことのある方であれば、経験していると思います。4ギガのパソコンは、買った当初は、まあまあ使えても、使い続けるうちにさらに遅くなり、かなりストレスが溜まる状態になる可能性が高いでしょう。

Excelの起動だけで数分かかり、その他、フリーズが常態的に発生しても不思議ではありません。

4ギガのパソコンを使ってもよいケース

当サイトでは、いかなる用途においても、4ギガのパソコンはおススメしませんが、どうしても予算の都合があるのであれば、下記の用途に該当する場合に限って、「妥協してもよいのかな」と感じます。

4ギガパソコンの妥協点

  • 月に1回、家計簿を記録するだけ
  • たまにスマホの写真を取り込んで整理するだけ
  • たまに音楽CDをスマホに取り込むだけ
  • たまにお店のメニューを作成するだけ
  • 年末に年賀状を作成するだけ

わたしの感想としては、以上のような用途に限って妥協してもよいと感じます。

子ども用のパソコンの場合はよいのでは?

最近では、GIGAスクール構想など、小学生低学年から「IT教育」を取り入れるようになりました。

「子どもにも早めにパソコンを買い与えたほうがよいのでは・・」と考える方もいらっしゃるでしょう。よく分かります。

触ってくれるかどうか分からない。そして、大事に使うかどうかも分からない。

最初は安いパソコンで、と考えるのは自然なことです。でも、やはり4ギガのパソコンはおススメできません。現代の子どもたちは高性能な機器に慣れています。

たとえば、電源ボタンを押して十数秒待つようなテレビには、おそらく耐えきれないでしょう。そして、時々、スマホを触らさせているのであれば、遅いパソコンにストレスを感じてしまうはずです。

4ギガのパソコンは、現代の子どもたちには、やはりスペック不足と思います。

余談ですが、GIGAスクール構想の一環で、多くの学校で選定されている「ChromeBook」という機種は、Windowsパソコンではありません。システムの構成上、4ギガでも機敏に動作します。そのため、ChromeBookに慣れている子どもたちにとって、4ギガのパソコンは明らかに動作が遅く感じるでしょう。

あとがき

今回は、「4ギガのパソコンは買ってもよいのか」をテーマに記事を書きました。

実際に4ギガのパソコンの購入を前向きにご検討されていた方には、残念な解説になったのかもしれませんが、これはあくまでも当サイトの見解です。

なお、当サイトは純粋なメディア発信サイトであり、何かの購入を促すようなサイトではありません。日頃から、多くのパソコン関連の情報を取り入れ、実際に多くのパソコンを触ってきた経験から事実を書いたものです。

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