当サイトではChatGPTを使い始めてから日々、検証を続けています。
実際にはChatGPTとのコミュニケーションが楽しすぎて、時間を忘れることも多いのですが、検証を続ける中で気になるのは最新の言語バージョンであるGPT-4。
そこで当サイトでは、ChatGPTの有料プラン(Plus)に加入し、実際にGPT-4の実用性を検証してみました。
この記事では、ChatGPTの有料プラン(Plus)で利用できるGPT-4の実用性や特徴を、実際の検証結果をもとに紹介します。
ChatGPT PlusはOpenAIが提供する「ChatGPT」の有料プランです。
月額料金(月20ドル=2,600円前後)を支払うことで、無料で使える通常版よりも優れた機能が提供されます。具体的には、当記事のテーマである最新の言語バージョン『GPT-4』が使えるようになるほか、混雑時の優先利用やレスポンスの向上が実現します。
それぞれの特徴について、実検証を踏まえて説明します。
ChatGPT Plusに加入すると、最新の言語モデルであるGPT-4が利用可能になります。
言語モデルが選択可能になる
GPT-4は、前バージョンのGPT-3.5と比べて、より高度な自然言語理解と文章生成が可能になります。たとえば、GPT-4は文脈に即した回答を提供し、複数の情報源を統合してより簡潔で正確な回答を生成することができます。
GPT-3.5でも十分な自然言語処理が実現していましたが、GPT-4では質問に対する回答の正確性がさらに高まり、文脈を把握する能力も向上しています。
また、知識レベルにおいてもより広範囲な分野の対応が可能になっており、専門的な質問にも対応できるとされています。
GPT-3.5とGPT-4の比較検証の結果は後述しますが、ChatGPTを本格的に利用しているユーザーほど有用なものになるでしょう。
GPT-3.5とGPT-4の自然言語処理能力を比較するうえで、よく紹介されている事例もお伝えしておきます。
それぞれの言語バージョンに司法試験の模擬問題を解答させた結果によると、GPT-3.5では下位10%のスコアしか取得できなかったのですが、GPT-4は上位10%のスコア(合格水準)を取得できたそうです。
この検証は「司法試験」という専門性の高い模擬問題を用いて実施されており、検証結果からGPT-4の自然言語処理能力の高さとともに専門性の高さも証明することができています。
ChatGPTは、リリースからわずか1週間で100万ユーザーを獲得したことは有名な話です。さらに、2023年1月時点の月間アクティブユーザーは1億人に達したそうです。
その影響によって、利用者が多くなる時間帯には、ChatGPTのサイトへのアクセスが遅くなることがあります。
この画面から中々進まない・・
ChatGPT Plusに加入すると、混雑時にも優先的にChatGPTを利用することができます。このメリットは、ChatGPTの利用頻度が高いユーザーやビジネス利用、また学習で使っているユーザーなど、特に時間を節約したい場合に有効です。
現在の世界的な利用状況を見ていると、ChatGPTで新機能がリリースされた場合、相当な待ち時間が発生すると思いますので、いち早く新機能をストレスフリーで試したい方にとってもメリットは高いでしょう。
前節で紹介した「混雑時も優先利用」のほか、ChatGPT Plusでは質問に対する応答速度(レスポンス)も向上します。
レスポンスが向上することで、会話の進行がスムーズになり効率性が高まります。ChatGPTの混雑時には、サービスへの接続とともにレスポンスも遅くなることがありますが、ChatGPT Plus加入者は会話においても優先的に利用することができます。
ただし、当サイトの検証では、特に混雑していない状況においては、体感できるほどのレスポンス向上はありませんでした。
ChatGPT Plus加入者は、新機能の先行体験が可能になります。
当サイトがChatGPT Plusに加入した時期は、特に新機能の公開はありませんでした。そのため、検証はできていませんが、いち早く新機能をビジネス活用したい企業や学習者にとっては、大きなメリットになるでしょう。
同様にAIへの関心が高い方にとっても魅力的な特典です。
GPT-4では、ユーザーが入力した画像をAIが分類・分析することも可能と発表されています。テキスト入力による自然言語処理だけではなく、画像解析を行い、その説明を自然言語で返すという内容です。
この新機能はまだChatGPT Plus加入者を含めて一般公開されていませんが、おそらくChatGPT Plus加入者から先行体験できるようになると予想されます。
ChatGPT無料版 | ChatGPT Plus | |
月額料金 | 無料 | 月20ドル |
言語バージョン | GPT3.5 | GPT3.5(Default) GPT3.5(Legacy) GPT4 |
混雑時の利用 | 遅くなる場合がある | 優先的に利用可能 |
レスポンス | 混雑時に遅くなる場合がある | 優先的に利用可能 |
新機能の先行体験 | 不可 | 可能 |
この章では、ChatGPT Plusの月額料金の支払い方法と加入手順について画像付きで紹介します。なお、当記事執筆時点では、他のサービスで見かけるような「無料体験〇カ月」の特典はありませんでした。
クレジットカードのみです。その他のお支払方法はありませんでした。利用可能なカードの種類は「VISA、MasterCard、JCB、AmericanExpress」のようです。
①ChatGPTのサイトにアクセスし、左側のメニューから Upgrade to Plus をクリック
②Upgrade planのボタンをクリック
③支払い方法(クレジットカード情報)を入力
④2つのチェック箇所がある。上の箇所は必須ではないが、下の箇所はプライバシーポリシーへの同意となっており、チェックが必須。チェック後、申し込むボタンをクリック。
⑤紙吹雪のエフェクト
⑥Continueのボタンをクリック
⑦チャット画面の上部に、言語モデルを選択するメニューが表示されている
⑧Default(GPT-3.5)、Legacy(GPT-3.5)、GPT-4の3つの言語モデルから選択できる
実際にChatGPT Plusに加入してから気付いたのですが、言語モデルは「チャットルーム毎に」選択できます。チャットを開始したあとは言語モデルを変更できません。新しくチャットを開始するときに選択した言語モデルが、終始適用されます。
このチャットルームはGPT-3.5
このチャットルームはGTP-4
⑨最新の言語モデル「GPT-4」も選択が可能
⑩言語モデルをGPT-4で選択したあと、ChatGPTにテスト質問を実施
⑪GPT-4と回答された
この章では、いよいよGPT-4を使って前バージョンであるGPT-3.5との比較検証の結果を紹介します。なお、比較検証については、当記事公開時点よりも分かりやすい検証結果を得られ次第、随時更新する予定です。
前章の手順内で紹介した一画面ですが、それぞれの言語バージョンには3つの項目が5段階で評価付けされています。まずは、その評価付けの内容について紹介しておきます。
Default(GPT-3.5) | Legacy(GPT-3.5) | GPT-4 | |
Reasoning (論理性・推論力) | ☆☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ |
Speed (レスポンス) | ☆☆☆☆☆ | ☆☆ | ☆☆ |
Conciseness (簡潔・明確性) | ☆☆ | ☆ | ☆☆☆☆ |
GPT-3.5とGPT-4を比較すると、GPT-4は「論理性・推論力」「簡潔・明確性」の評価項目において、大きな進歩が見られます。一方で「レスポンス」に関しては、GPT-4はGPT-3.5よりも遅くなることがあります。
これは、GPT-4がより高度な自然言語能力を持っているため、処理に時間がかかることが原因です。
下記は、同じ質問をGPT-3.5とGPT-4に実行して得られた回答です。正直、この比較結果からはどちらが優秀か判断ができないかもしれませんが、GPT-4の回答は簡潔・明確性が高いことは明らかです。
人間の感情の中でも最も複雑なのは愛情(ラブ)と考えられています。愛情には、様々な感情や行動が含まれます。愛情には、好意や親愛、思いやり、信頼、忠誠心、尊敬、慈悲などがあり、これらが複雑に絡み合っているため、愛情を完全に理解し、疑似的に再現することは非常に難しいとされています。
ただし、人工知能においても、自然言語処理や感情分析、画像認識などの技術が進歩し、人間の感情を理解し、表現することができるようになってきています。
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人間の感情をAIに疑似的に搭載する際、最も複雑な感情はおそらく「愛」です。愛は様々な形態があり(親子、友情、恋愛など)、また、状況や文化によって表現や解釈が異なります。
この多面的かつ深い感情をAIに再現することは非常に困難です。
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恐竜時代が2億年続いた理由は、当時の地球環境が恐竜にとって適していたためです。恐竜が栄えた中生代には、気温が高く、陸地と海洋の比率が現代よりも大きく、植物の種類も豊富であったとされています。また、恐竜は体が大きく、進化した歯や鋭い爪などを持ち、捕食者としての優位性がありました。
そのため、恐竜は2億年以上にわたって生息し、繁栄することができました。しかし、その後の大量絶滅事件によって恐竜は絶滅し、哺乳類が地球の支配的な生物になっていきました。
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恐竜時代が2億年続いた理由は、恐竜がその期間にわたって適応し、環境の変化に対処する能力があったからです。多様な種類の恐竜が存在し、地球上のさまざまな生態系に適応していました。
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パターン解析によるAIの音楽制作技術は、確かに人工知能が楽曲を作曲するための一つの方法であり、一定の成功を収めている例もあります。しかし、ヒット曲を作ることは、単にパターンの把握や分析にとどまらず、聴衆の感性やトレンドの理解、そして音楽的創造性など多様な要素が必要であり、それらを完全に代替することはまだ困難です。
また、音楽は感情を表現する芸術であるため、作曲の過程で感情的な表現を考慮することが不可欠です。現時点では、AIが完全に感情を理解し、表現することはできません。そのため、AIによる音楽制作は、あくまで人間が設定したルールやパターンに基づく音楽制作技術として捉える必要があります。
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パターン解析によりAIがヒット曲を作曲することは可能ですが、必ずしも簡単ではありません。AIは音楽のパターンや構造を学ぶことができますが、感情や創造性、文化的な要素など、人間の音楽制作プロセスの複雑さを完全に模倣することは難しいです。しかし、AIは既存のヒット曲のパターンを分析し、新しい曲を作成する上で有用なツールとなる可能性があります。
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野球には戦略や技術が重要視されるため、身体能力だけでなく知性や創造性が必要とされる場面があり、そのような要素を天才的に持っている選手が存在する一方で、100m走は単純で身体能力が重要視される競技であり、天才と言われるほど他の選手と比べて圧倒的に優れた能力が必要であるため、100m走の天才選手はあまり存在しないと言われています。
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実際には、100m走にも天才的な選手が存在します。しかし、野球選手と比較して彼らが天才として認識されにくい理由は、競技の性質によるものです。野球は戦術や技術が重要な役割を果たし、特定の選手が多様な才能を発揮できます。一方、100m走は純粋な速さが評価される競技で、選手のパフォーマンスは主に生まれ持った身体能力と練習量に依存します。そのため、100m走選手の天才性が目立ちにくいと感じることがあるかもしれません。
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ChatGPTの検証を続けるうえで、GPT-4の体験は欠かせない要素です。そのため、当サイトではChatGPT Plusに加入し、今回の記事をお届けしました。
初回は、ChatGPT Plusの特徴や加入方法、GPT-4に関する情報や検証など部分的な内容に留まりましたが、試したいことはまだまだ多くあります。引き続き、情報を公開していきますので、またご覧いただけると幸いです。
個人的な感想として、世界最先端のAI・自然言語処理技術をわずか月3,000円弱で利用できるのは、驚異的なコストパフォーマンスと思います。近年、これほど興奮を覚えたサービスはありませんでした。
ぜひ、テクノロジーに関心がある方や最先端のAIを体験したい方は利用してみてください。