Excelの数ある関数の中でも合計を計算するSUM関数は、最も使われている関数のひとつでしょう。
SUM関数は簡単に合計計算することができる便利な関数ですが、データ分析や加工の工程では、合計計算をするためのバリエーションも必要です。
たとえば、AND(かつ)を用いて複数の条件に合致したデータのみを合計計算する方法などです。
今回の記事では、SUMIFS関数を使ってANDを用いた複数条件の合計値を求める数式を紹介します。
当サイトではSUMIFの活用事例をいくつか紹介していますが、SUMIFは「SUM(合計)」と「IF(もし~なら)」を組み合わせた関数であり、条件に合致したデータのみを合計計算することができる関数です。
今回紹介するSUMIFSは、そのSUMIFの複数形で合計計算するための条件を複数設定することができます。
早速、見ていきましょう。
AND条件とは日本語で「かつ」を意味する単語で、プログラミング言語でも頻出する概念です。
「条件1」と「条件2」、どちらにも該当するデータを合算する時などに使います。AND条件の対義語は「OR条件」です。
数式
=SUMIFS(合計範囲,条件1範囲,条件1,条件2範囲,条件2)
例:=SUMIFS(D2:D15,B2:B15,”休日”,C2:C15,”雨”)
少し複雑に見えますが、次節で実際のSUMIFS関数の実例も紹介します。
SUMIFS関数は、SUMIF関数と比較すると引数の順番が異なります。SUMIF関数は、[条件,合計範囲]の順番ですが、SUMIFS関数は[合計範囲,条件,(条件2),(条件3)..]というように、条件を後半に書くという特徴があります。
下記のイメージ図は、ある地域の小さなイベントの来場者数を記録したものですが、休日かつ雨の日の来場者数の合計を計算しています。前述の実例で紹介したように「休日」かつ「雨の日」というAND条件になっています。
前節の条件は[“休日”]、[“雨”]というように直接の文字列で指定していますが、F4、G4のようにセル参照型にすることも可能です。
数式
文字指定の場合
=SUMIFS(D2:D15,B2:B15,“休日”,C2:C15,“雨”)
セル参照型の場合
=SUMIFS(D2:D15,B2:B15,F4,C2:C15,G4)
今回の記事で紹介したAND条件の合計計算は、SUMIFSの他、SUMPRODUCT関数を使っても可能です。
ただし、SUMPRODUCTは配列の概念を含んだ関数であり、AND条件で使うメリットはありませんので、当記事では割愛します。