今回紹介するのは、Excelの関数の中でもデータベース関数と呼ばれる「DSUM関数」。
DSUMは関数の種類として「データベース関数」に分類され、Excelシートのデータをより効率的に抽出・集計することができる関数です。
この記事でも実例を紹介しますが、使い方によってはオートフィルターをより便利にした代替機能としても使えるでしょう。
では早速、DSUM関数の使い方と実例を紹介します。
DSUM関数はデータベース関数ということもあり、説明に聞き慣れない言葉も出てきますので、先に概要を説明しておきます。
DSUM関数では、合計計算の対象のすべてのデータ群のことを「データベース」として認識します。
また、実際に合計計算する列の見出しのことを「フィールド」と呼びます。この「データベース」と「フィールド」という言葉はデータベース関数では重要な定義になりますので、覚えておきましょう。
下記のExcelシートには、アルバム名と曲数、ジャンル、国名が入力されています。このシートで「ジャンル」や「国名」を条件にして、曲数を合計計算する場合、データベースとフィールドは次のようになります。
まず、「データベース」は基本的にすべてのデータ群のことを指しますので、セルA1:E11がデータベースの範囲になります。(青枠)
次に、「フィールド」は実際に合計計算をする列の見出しのことを指しますので、セルC1がフィールドになります。(赤枠)
重要なのは、「データベース」は各列のタイトル行(ラベル)を含み、フィールドはタイトル行(ラベル)そのものを指定する点です。ここはデータベース関数の特徴となりますので、認識しておきましょう。
DSUM関数では、データベースと抽出する条件の関連付けが必要です。
もう一度、下記のサンプルをご覧ください。
このExcelシートでは[セルG3]にジャンル、[セルH3]に国名を入力することで、それぞれを抽出条件としてテーブルから値を集計することができます(曲数が合計計算されます)。
たとえば、ジャンルに「Rock」、国に「USA」を指定すると、データベース内のD列が「Rock」かつE列が「USA」のデータのC列の曲数が合計計算される仕組みです。
そして、[セルG2]とD列、[セルH2]とE列を関連付けているのが、お互いのタイトル行(ラベル)に書かれた『ジャンル』と『国』という文字なのです。この文字が完全一致していないと関連付けはされません。
ここはDSUM関数を扱ううえで、非常に大切な概念です。
数式
=DSUM(データベース範囲,フィールド,条件範囲)
例:=DSUM(A1:E11,C1,G2:H3)
DSUM関数の使い方は上記の通りです。前節までに説明した通り、データベース範囲にタイトル行を含めたデータ全体を、フィールドに合計計算する列のタイトル行を指定します。
そして、条件範囲にデータベースからデータを抽出するための条件を入力する範囲を指定します。ここでもタイトル行を含める必要があります。
下記のExcelシートでは、DSUM関数が使われています。
抽出条件(セルG2:H3)で指定した条件に基づいて、[セルH6]に曲数が合計計算されます。
この記事では、DSUM関数はフィルターの代替機能としても活用できる旨、説明しましたが、下記のイメージをご覧いただければ実感できると思います。
一般的に、各列で条件指定して合計計算する場合には、Excelのオートフィルターを使うかと思います。
DSUM関数を使えば、まったく同等の合計計算をフィルターを使わずに実現することができるのです。オートフィルターよりも、どのような条件指定をしているのか、分かりやすいのもDSUM関数の特徴です。
今回は、ExcelのDSUM関数の使い方と実例を記事にしました。
Excelは、表計算ソフトのため、データの抽出や活用は一般的なデータベース(Access等)と比べ、見劣りするイメージがありますが、実はデータベース関数も備えており、活用すれば利便性が大きく向上するのです。
当サイトでは引き続き、他のデータベース関数も紹介していきます。