Windows10が一般向けにリリースされたのは、2015年7月29日。
当時は、「最後のWindows」として、永年、Windowsのバージョンはそのままに、既存のOSにアップデートを実施することで、OSとしての機能を維持・向上させる方針でした。2021年、その方針は一変し、Windows11をリリースすることに世間の反応は様々ですが、『Windows11』でよいのです。
コンセプトや戦略など、時代の流れで変わるもの。方針変更など、企業では日常茶飯的に発生するものなのです。
さて、改めて今回の記事のタイトルに移りますが、Windows10からWindows11にアップグレードするメリットとデメリットについて、考えてみたいと思います。
Windowsは世界中で使われているOSで、実に世界のOSの70%を超えるシェアを誇っています。その最新OSを使えること自体がメリットともいえるのですが、より実用的・具体的に考えてみたいと思います。
メリットというものはユーザーによって異なるもの。この記事では、明確な1項目に限定して紹介したいと思います。
Windows11へのアップグレードの要件は厳しいといわれていますが、その大きな理由が「セキュリティ面」の強化です。Microsoftは、2016年以降のWindowsパソコンすべてに、セキュリティモジュール「TPM 2.0」を義務付けました。
近年、増加しているハードウェア・ソフトウェアをターゲットにしたサイバー攻撃からパソコンを保護するための強化策が取られています。
また、Microsoftは、Windows11に関するバーチャルイベントで、「セキュリティの基準を、Windows 10を含む過去のバージョンのWindowsより大幅に引き上げる」と回答しており、セキュリティをかなり重視していることが分かります。
Windows11にアップグレードする大きなメリットは、Windows史上最も高い基準にセキュリティが高まることでしょう。
現在使用しているソフトウェアやシステムがWindows11で動作するかどうかは大きな問題でしょう。なお、基本的にWindows11はWindows10をベースに開発していますので、ほとんどは大丈夫といわれていますが、Windows10がリリースされた当時は、やはりトラブルの報告が散見されました。
例えば、ドライバの互換性に問題があり、特定の周辺機器が使えなくなったケースやUSBやLANの認識不具合、Bluetoothの接続不具合も問題になっていました。
いくらMicrosoftとはいえ、事前にすべての接続機器を検証するわけにはいきませんので、必然的に発生した問題といえるでしょう。
ほとんどのユーザーは、Windows11が搭載されたパソコンを新たに購入するわけではなく、既存のWindws10をアップグレードすることになるでしょう。要件を満たしていても、既存のスペックのままWindows11にアップグレードすることで、動作が重くならないか、は気になるところです。
これは避けられない問題ですが、当然、Windows10ほどインターネット上の情報も成熟していませんので、当面の間は何かを調べる都度、時間がかかってしまうでしょう。
今回のWindows11は、過去のWindowsのアップグレードと比べても、UIが大きく変更になっています。日常的に行っている機能が直観的に使えるUIになっているか、気になるところです。
Windows11にアップグレードすることのメリットとデメリットを独自の観点で挙げてみました。結論しては、下記のとおりです。
Windows11にアップグレードする緊急性はないため、情報収集を行いながら、半年~1年以内に、段階的にアップグレードするほうがよい。
会社のパソコンであれば、数人しか使わないソフトウェアやシステムを使っているパソコンは優先順位を低くし、汎用的な作業を行っているパソコンから段階的にアップグレードするほうがよいでしょう。
ただし、いずれはWindows11に移行することが必須であることを考えれば、いつまでもアップグレードを行わないのは、問題の先送りにすぎません。適切な情報収集を行いながら、半年~1年以内を目安に社内の全パソコンのアップグレードに取り組んでみてください。