世界・日本でトップクラスのシェアと好評価を得ているUiPath。
個人的に、性能や価格面において、国内では「敵なし」、Microsoftの無料のRPA「Power Automate Desktop」を除いては、UiPath一択と思えるほどの優秀なソフトウェアです。
業務量が小規模かつシンプルであれば、Power Automate Desktop は、極めて優秀なRPAです
一方、UiPathは難しいという声もあり、エンジニア職以外のユーザー部門の担当者が本当に活用できるのか。という疑問もあるようです。
この記事では、UiPathの難易度とユーザー部門への導入・活用の可能性について、現役のUiPathエンジニアが説明したいと思います。
UiPathは難しいか
そもそも、UiPathは難しいといわれている理由とその真偽性について説明します。
難易度は高いです
わたしは、UiPathの他、Power Automate DesktopやWinActorなどを使った経験があります。WinActorについては、企業向けの研修講師の経験もあります。
UiPathが難しいという情報は、事実です。WinActorと比較しても、一際、難しいと思います。
例えるなら、WinActorは「簡単設定」、UiPathは「カスタマイズ設定」です。
難しい理由
UiPathは、ルーマニアで誕生した会社が開発したソフトウェアで、創業時(2005年)より、パソコン上の作業を自動化するスクリプトなどを構築していた会社です。
要は、生粋のエンジニアが起業した会社なのです。
そのため、現在のUiPathも玄人向けの作りになっていて、所々に直接、「プログラミングコード」を記述する箇所があります。
そして、プログラミング知識の基本中の基本である「変数」には『型』という概念も存在します。『型』の概念がないWinActorと比べると、だいぶ玄人向けの作りになっていることが伺えます。
『型』:その変数が数値型なのか日付型なのか。または文字型なのか。UiPathでは、変数ごとに型を指定する必要があります。VBAでいう、IntegerやDate、Stringです。
結論:Uipathはどうなの?
すぐに慣れるユーザー層
Uipathは、直接、プログラミングコードを記述する箇所もありますが、少しでもプログラミング言語に触れたことのあるユーザーであれば、すぐに慣れます。(もちろん、ExcelのVBAでもOKです)
そうでなくても、Excelの関数が得意なユーザーであれば、少し敷居は高くなるのですが学習次第で可能でしょう。
「学習」とは、プログラミング言語の学習です。
とはいえ、それほど難しく考える必要はありません。要領のよい方であれば、ExcelのVBAで勉強すれば充分でしょう。
そもそもRPAは簡単ではありません
では、UiPathではなく、「簡単な操作をウリにしているRPAであれば、ユーザー部門で使えるのか」といったら、そうではありません。
RPAは、ソフトウェアの操作感よりも、業務をロジカルに組み立てて自動化する工程が難しいのです。
その工程に必要なのは、プログラミング思考であり、RPAを活用するための基本かつ必須のスキルです。一定のプログラミング思考を備えたうえで、RPAの操作感を考えたほうが合理的です。