UiPathオーケストレーターとは?その機能性をイメージ図で説明!

UiPathを導入されている企業で「UiPath オーケストレーター」にご関心を持っている方はとても多いです。どういう環境で必要になるのか?導入すればどのような使い方が出来るのか?

今回の記事では、UiPath オーケストレーターの機能についてイメージ図を用いて説明します。

オーケストレーターについて、正しい製品名はOrchestratorと表記するのですが、当記事ではカタカナ表記で統一しています。(イメージ図を除く)

UiPath オーケストレーター

価格については他のUiPath製品同様、価格は非公開となっていますので、販売会社へのお問い合わせが必要です。

UiPathの基本構成

UiPathの基本構成(以下、UiPath プラットフォーム)は、Studio、Robot、オーケストレーターの3つです。今回の記事のテーマであるオーケストレーターは必須の構成要素ではなく、稼働しているRPAの業務規模や環境に応じて導入するものとなります。

3つの構成要素

Studio

UiPathで自動化のプロセス(ワークフロー)を作成するための開発環境です。

Robot

Studioで開発したプロセス(ワークフロー)を実行します。

オーケストレーター
(Orchestrator)

Studioで開発したプロセス(ワークフロー)をアップロードし管理します。

イメージ図

①Studioで開発したプロセスを オーケストレーター にアップロードします。

オーケストレーター は、管理下のRobotにプロセスを配布し、任意のパソコンで実行させることができます。

このように、オーケストレーターを導入するとプロセスを一元管理し、管理下のRobotに実行を指示することができます。複数のStudioを設置していて、開発環境が複数に分散されている場合でも、オーケストレーターで一元的にプロセスを変更・改修できますので、どのプロセスがどのパソコンにあるのかといった管理も不要になります。

例えば、Excelファイルをイメージしてみてください。チームメンバーがExcelファイルをそれぞれのパソコンで管理していると業務は大変でしょう。一方、誰でもアクセスできるネットワークフォルダ内に保存し共有管理すれば、劇的に管理がしやすくなるでしょう。

オーケストレーターのEdition

オーケストレーターには、下記の3つのEditionがあります。BasicとStandarは年間ライセンス費用が発生し、StandardはBasicよりも高額です。

Community

評価とトレーニング目的でのみ使用することができます。

Basic

StudioおよびRobotの接続台数はそれぞれ、最大5台です。

Standard

StudioおよびRobotの接続台数に制限はありません。

オーケストレーターの機能

オーケストレーターは、単体では何もできません。StudioとRobotと合わせて構成に含めることで、その真価を発揮します。なお、実行のためのRobotには下記の2種類があります(それぞれ価格が定められており、年間ライセンス費用が発生します)。

どちらのRobotもオーケストレーターに接続することができますが、UnAttended Robotのみしか使えない機能もあります。

Attended Robot
人間がUiPathの実行ボタンをクリックして実行するタイプのRobotです。業務は自動的に処理されますが、実行自体は手動と考えれば分かりやすいでしょう。

UnAttended Robot
人間がUiPathの実行ボタンをクリックする必要はなく、スケジューリングすることで指定の時間に自動的に実行させることができます。例えば、毎日、社員が帰宅したあとの夜中にUiPathを自動実行させることが可能です。

以下は、オーケストレーターとRobotを接続したときの機能です。

UnAttended Robotのみ

何時にどのRobotで、どのプロセスを実行するのか、スケジューリングすることができます。 オーケストレーター でスケジューリングされたプロセスは、配下のUnAttended Robotで自動的に実行されますので、人間を介することはありません。

例えば、夜中や休日などにプロセスを実行し、定型業務を終わらせておくことも可能です。

共通(UnAttended & Attended)

前記の通り、Attended Robotには自動実行の機能がありませんが、 オーケストレーター に接続することで、下記のメリットが生じます。

①ライセンスの一元管理
1台1台、アクティベーションをする必要がなくなり、 オーケストレーター でライセンスの配布・管理が可能となります。ほとんど使われていない無駄なラインセンスを発見するのにも役立ちます。

②実行ログの管理
プロセスの実行ログを一元的に管理することで、使われていないプロセスなどが明確になります。また、各プロセスで発生したエラーの管理も一元管理することができます。

③プロセスの共有化
オーケストレーター にアップロードされたプロセスを配下のRobotで共有できるようになります。そのため、同業務を別のパソコンで実行したい場合にも、 オーケストレーター から該当のパソコンにプロセスを配布するだけで済みます。

④実行プロセスを制限
オーケストレーター に接続したRobotは、 オーケストレーター から配布されたプロセスのみしか実行できません。そのため、管理外のプロセスが勝手に使われるリスクを抑止できます。

まとめ

以上、UiPath オーケストレーター の説明でした。イメージは掴めましたでしょうか?

UiPathは、大企業で活躍しているイメージが強いRPAですが、このように構成をカスタマイズすることができますので、企業規模に応じた環境を構築することができるのです。

もちろん、『Studio1台 + Robot1台』の最小構成でも自動化は実現でき、後々、Robotの台数を増やしたり、 オーケストレーター を追加で導入することも可能です。

UiPathには、一定の条件を満たした場合には無料で使えるエディションがあったり、条件を満たしていない場合でも60日間の無料トライアルが準備されているため、RPAの導入をご検討されている企業は、ぜひ一度お試しください。